2026.03.16
CLIENT
株式会社MIXI
AREA
渋谷(大阪/名古屋)
CASE
屋外広告、交通広告、造作設置イベント等
こんにちは、Universal OOH編集部です。
アニメシリーズ10周年を迎え、初の地上波放送に踏み切った「モンスターストライク」。その節目にあわせて、OOH広告やWeb広告、SNS施策を組み合わせた大規模なメディアミックスを展開しました。中でもOOH広告では主要都市の屋外広告や交通広告の実施のみならず、「初の地上波放送」というトピックを直感的に伝えるため、モンストのアイコン的存在であるキャラクター「オラゴン」が渋谷の地下鉄構内の柱巻き広告から地上へと飛び出し、現実世界に“地上進出”してくるストーリーを一貫したクリエイティブで表現しました。
SHIBUYA109渋谷店 店頭イベントスペースでは、その世界観を体験できる場として、“オラゴンの地上進出”をテーマに、オラゴンが実際に街に現れたかのような迫力ある大型フォトスポットを展開。地下から地上、そして体験へと連動するOOH施策は、強いインパクトとともに大きな話題を呼びました。
アニメを入口に、どのように新規ユーザーとの接点をつくり、既存ファンとの関係性を深めていったのか。施策設計の背景や、OOHメディアに込めた狙い、そして今回の取り組みから得られた手応えについて、仕掛け人であるMIXI落合様にお話しを伺いました。
◆写真
写真中央右:株式会社MIXI デジタルエンターテインメントオペレーションズ本部IPグロース推進部IP戦略グループ マネージャー 落合俊介様
写真中央左:株式会社ジェイアール東日本企画 第五アカウントプロデュース局 井田都夢
写真右:ジェイアール東日本企画 第五アカウントプロデュース局 井上秋香
写真左:ジェイアール東日本企画 Univesal OOH編集部 林知寛
※取材時点
―御社が展開されているサービスと、今回のアニメ施策における事業・マーケティング戦略について教えてください。
MIXIでは、3領域を軸に事業を展開しており、いずれも「コミュニケーション」を重視したサービスづくりを行っています。私が所属する部署では、デジタルエンターテイメント事業が運用するIPの一つである「モンスターストライク」運用を行っています。
「モンスターストライク(以下モンスト)」をより多くのお客様に楽しんでいただくことを最も重要な指標とし、日々の運用やプロモーション、オウンドメディアの展開を行っています。ゲームとしては、より多くの方にダウンロードしていただき、継続的に遊んでもらうことに加え、ゲームの域を超えて、IPとしての「モンスト」を育てていくことも重視しています。今回のアニメ展開も、その一環です。
アニメを視聴した方が、どのようにゲームへ関心を持ち、実際にプレイしてくれるのか。さらには、ゲームだけでなく、モンストに関連する他のコンテンツにも興味を広げ、複数のコンテンツを横断して楽しんでいただけるか。そうした流れをつくることが、今回のアニメ施策の大きな目的でした。
今回が初の地上波放送という新たな挑戦だったこともあり、認知拡大にとどまらず、今後につながる示唆や学びを得ることも意識しながら、さまざまなプロモーションを組み合わせたマーケティングプランを設計しています。

― KPI達成においての、現在の課題感があれば教えてください。
アニメを活用したマーケティングは今回が初の試みだったため、すべてが手探りの状態からのスタートでした。これまでもYouTube上でアニメコンテンツを展開してきましたが、その多くは既存ユーザー向けに、オウンドメディアの延長として位置づけられていました。
一方で今回は、アニメを入口として新規顧客との接点をつくることが目的でした。そのため、「どうすればモンストに興味を持ってもらえるのか」「モンストのゲームを知らない人でも、アニメを見たいと思ってもらうには、どのようなメッセージを届けるべきか」といった点に頭を悩ませながら、マーケティング設計を進めました。これらを明確にすることが、アニメ開始前における最大の課題でした。

―今回実施した広告施策について教えてください。
アニメ「モンスターストライク デッドバースリローデッド」はシリーズ10周年という節目を迎え、初めて地上波放送を実施しました。これを機に、より多くの新規視聴者との接点を創出するため、複合的なプロモーション施策を展開しました。
具体的には、OOH(屋外広告)による認知拡大をはじめ、Web広告の配信、X・YouTube・TikTok・Instagramといった各種SNSを活用した継続的な情報発信を実施しました。さらに、主題歌の楽曲を活用したキャンペーンを展開することで、作品世界への没入感を高めるとともに、話題喚起と拡散を図りました。

―今回、なぜそのような広告施策にされたのでしょうか?
今回のプロモーションでは、ターゲットを「既存ユーザー」と「新規ユーザー」の大きく2つに分けて考えていました。既存ユーザーに対しては、すでに情報発信の場やコミュニケーションチャネルが確立されていたため、そこを活用することで十分にリーチできると考えていました。
一方で課題となったのが、新規ユーザーへのアプローチです。アニメをきっかけにYouTubeチャンネルへ登録してもらい、登録者数を含めたアカウント自体の“基盤の強さ”を高めることで、そこからさまざまな形でモンストの魅力を継続的に届けていきたいと考え、Web施策には特に注力しました。ただし、Web広告はどうしてもターゲットが限定されやすい側面もあります。
スマートフォンゲームとしての「モンスト」は多くの方に認知いただいている一方で、「モンストアニメ」というアニメ展開については、これまでYouTubeを中心に発信してきたこともあり、まだ認知拡大の余地があると感じていました。そこで、「あの“モンスト”が、実はアニメも展開していて、しかも初めて地上波放送を行う」という事実を、オウンドメディアだけでは届きにくい層にも伝えるため、都心部を中心としたOOH展開を選択しました。不特定多数にリーチでき、話題化を生みやすい点も大きな理由です。
―広告の効果をより発揮させるために、施策で心がけた点はありますか?
Web広告については、基本的に動画を中心とし、既存ユーザーの方が思わず反応してしまうような内容を意識しました。具体的には、新キャラクターの動きや、人気声優のボイスが印象的に伝わるシーンを選び、作品の魅力が直感的に伝わる構成にしています。
一方でOOH広告に関しては、単にアニメのキービジュアルを掲出するだけでは、既存ユーザー以外の方には自分ごと化しにくいと考えました。そこで、「あの“モンスト”が、実はアニメを展開していて、しかも初めて地上波で放送される」という事実を、できるだけシンプルかつ分かりやすく伝えることを重視しました。
今回は、渋谷の地下鉄構内の柱巻き広告から、地上のスペースへと“飛び出してくる”ようなクリエイティブ表現を採用しています。メッセージの分かりやすさとインパクトを両立させることで、「モンストは長く続いている作品だけれど、地上波放送は初めてなのだ」「テレビアニメを制作するほどのタイトルなのだ」といった驚きや関心を喚起し、その興味を入口として、アニメ、ひいてはモンストのものへの関心へとつなげることを意識しました。

―地上に設置した「オラゴンの立体物」はとてもキュートでした。広告出稿後の、具体的な社内外での反響を教えてください。
地上イベントスペースで展開した立体物については、社内外を問わず非常に多くの反響をいただきました。話題喚起という観点では、手応えを感じられる施策になったと考えています。「この広告をきっかけに『モンスト』や『オラゴン』を知った」という声も寄せられています。また事前の想定以上に既存ユーザーの方がこの展示を目当てに渋谷まで足を運んでくださっており、認知獲得だけではなく、お客様の満足度を高めることも出来たので、実施して良かったと感じています。

屋外ビジョンや交通広告についても、全国の主要都市で展開しました。それぞれの都市を象徴するロケーションを意識したクリエイティブとすることで、接触した方の記憶に残りやすく、認知や興味・関心の拡大につながったと感じています。

―OOHメディア広告によるブランド貢献は、どのように数値化されたのでしょうか。
まず、自社で継続的に実施している意識調査をベースに、認知・興味・態度変容といった指標をレポーティングしています。ただ、それだけでは補足材料として十分ではないため、jekiさんからご提供いただいたレポートも活用しました。
SNS上で可視化される反応に加え、車内広告についても独自の手法で数値化いただき、Web広告など他媒体と比較・検証するための材料としています。
―それらの調査・検証を踏まえた評価はいかがでしょうか。
現在も実査中のため、詳細なアンケート結果はまだ出そろっていませんが、SNS上での反響などを見る限り、ポジティブな結果が得られるのではないかと考えています。また、ゲームのダウンロード数にも一定の影響が見られており、一連のプロモーション施策がその要因の一つとして寄与している可能性があると捉えています。
―実際に実施してみて感じる、OOHメディア広告の価値を教えてください。
一定期間、生活動線上に「必ず存在し」「何度も目に入る」ことで得られるフリークエンシーの高さこそが、OOHメディアの最大の価値だと感じています。ポスターを掲出しただけで、直接アニメ視聴につなげることは簡単ではありませんが、ターゲットの記憶に残り、頭の片隅に刷り込まれる効果は確実にあると考えています。
その状態を起点に、Web広告やSNSといった他の施策を組み合わせていくことで、関心が徐々に「自分ごと化」していきます。OOHは、そうした複数施策をつなぐ“第一想起のハブ”として非常に有効なメディアだと捉えています。
スマートフォンはどうしても自分の世界に没入しがちですが、OOHは日常の中のふとした瞬間に自然と目に入る存在です。その何気ない接触が、最初の記憶=第一想起をつくっている感覚があります。認知が進むことで、その後スマートフォンの中でWeb広告やSNS投稿に触れた際にも、「あの広告だ」と気づけるようになる。レコメンドに左右されない“最初の想起”をつくれる点において、OOHは非常に有効なメディアだと感じています。

有意義なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
編集部が注目したポイントを以下にまとめました。
Web広告だけでは届きにくい不特定多数層に広く認知を形成すること
生活導線上での反復接触により、第一想起を獲得すること
初の地上波放送という話題を、直感的に伝え拡散を生むこと
最後までご精読ありがとうございました。
※本施策について、駅係員へのお問い合わせはご遠慮ください。