2024.01.09
こんにちは、Universal OOH編集部です。
今回は株式会社ジェイアール東日本企画(以下jeki)の新規プロジェクトMASRTUM(マストラム)推進メンバーへのインタビューです。
OOHの新しいマーケットプレイスを作るMASTRUM(マストラム)について、システム開発事業推進担当の四條氏、商品開発担当の大和田氏、セールス担当の大村氏の3人にそれぞれの立場でMASTRUM(マストラム)について熱く語ってもらいました。ぜひ最後までご一読ください。
◆対談者(左から)
・四條 浩紀 メディアソリューション本部 MASTRUM 事業推進チーム
・大村 晃平 メディアソリューション本部 MASTRUM セールスチーム
・大和田 貴晋 メディアソリューション本部 MASTRUM 商品開発チーム
―――MASTRUM(マストラム)とはどのようなものなのでしょうか?
四條 MASTRUMは、データや配信等、さまざまなテクノロジーを駆使して、広告主・広告会社(買い手)とメディアオーナー(売り手)をつなぐ新しいOOH(交通・屋外広告)のマーケットプレイス(取引市場)です。
Web広告のDSP/SSP技術を活用し、データに基づく販売、時間帯・曜日などを選べるフレキシブルな配信、外部データに基づく配信の出し分けができる機能を搭載しています。
JR東日本はあくまで1メディアオーナーの媒体として、さまざまなOOH媒体を統合的に、同じ指標でプランニングができるようになります。
―――DSP/SSPの仕組みをわかりやすく教えてください。
大和田 DSPは「Demand Side Platform」の略で需要側(広告主)の利益を最大化、SSPは「Supply Side Platform」の略で供給側(メディアオーナー)の利益を最大化するシステムです。
DSP/SSPは両者の利益を最大化させるため、広告主様とメディアオーナー様の間に入って取引をスムースに行うためのマッチングを行います。
―――魚を取り扱う豊洲市場に似ている気がします。お寿司屋さんは魚が欲しい人、漁師は魚を売りたい人ですが、直接売買するケースは少ないですよね。お寿司屋さんは仲買人に「いい魚を適正価格で仕入れてね」とお願いし、漁師は卸売業者に「適正価格でたくさん売ってね」と依頼します。
DSPを仲買人、SSPを卸売業者に例えるとDSP/SSPの役割に近いのかな。
そしてDSP/SSPでの取引を活性化させるため、マーケットプレイス(取引市場)を開設し運用するととらえると、まさにMASTRUM(マストラム)と同じだなと思いました。
大和田 MASTRUM(マストラム)はオンライン上での取引なので人を介する豊洲市場とは異なりますが、流れは大体そのようなとらえ方でいいと思います。
MASTRUM(マストラム)も将来的には豊洲市場のセリのようにリアルタイムな取引を行う予定です。
―――どうしてMASTRUM(マストラム)プロジェクトが立ち上がったのでしょうか?
四條 コロナ禍で外出が減り、OOH(交通・屋外広告)出稿が減少しました。
その後外出制限も解除され人流は戻りつつありますがなぜかOOH(交通・屋外広告)への出稿は戻りませんでした。
理由を伺うと「コロナ禍を経て広告宣伝に対する効果検証がよりシビアになった。OOH(交通・屋外広告)はTVやWeb広告と同じ次元で効果を評価できるデータがなく、検討の遡上に載せにくい。」というご意見をいただき、何とかしないといけないと思ったのがきっかけです。
あわせて、テクノロジーの進化により、センサーやGPS、ビーコンなどで簡単に人の動きの可視化ができるようになりました。
また、映像の配信技術なども格段に性能が上がっている為、OOH(交通・屋外広告)の効果測定や柔軟な配信が精度高くできるようになったのも背景にあります。
―――MASTRUM(マストラム)開発にあたっての苦労などあれば教えてください。
四條 新しいマーケットプレイス(取引市場)を作るので正解がないというところです。
Web広告の売買の知見を参考にしていますが、それがOOH(交通・屋外広告)にそのまま活用できるわけではありません。
配信技術もWeb広告とOOH(交通・屋外広告)では異なりますし、リアル空間で体験する大画面のモニターとスマホ1面の価値(単価)も大きく異なります。
このような中、広告主様、代理店様、メディアオーナー様のご意見を伺いながら日々試行錯誤を行っています。今までにないものを作り上げているので苦労はしますが、同時にチャレンジングな試みですのですごくワクワクしています。
―――頼もしいです(笑)
―――新たにサービスインした広告商品について教えてください。
大和田 主力商品である「トレインチャンネル」「J・ADビジョン」をラインナップしました。人気の広告商品を取り扱うことでお客様にMASTRUM(マストラム)の価値を感じていただけたらと考えています。
山手線をはじめ、JR東日本の首都圏各路線、車内に搭載されているサイネージ「トレインチャンネル」
首都圏ターミナル駅に設置されている縦型サイネージ「J・ADビジョン」
―――MASTRUM(マストラム)での配信方法を教えていただけますか?
大和田 一つ目が最も効果的なタイミングで配信できる「フレキシブル配信」です。「トレインチャンネル」「J-ADビジョン」ともに>期間、時間帯を予め設定して配信することができます。
例えば、通学途中の学生に効率よく訴求したいので「朝帯」だけ、帰宅時のOLに訴求したいので「夜帯」だけとか、商品特性、ターゲットの行動に合わせた配信が可能になりました。
特に「J-ADビジョン」は今まで1週間単位でしか販売していませんでしたが、分割して1週間7曜日、朝・昼・晩の21枠1日単位でのバイイングが可能になりました。
より細かくセグメントしたタイミングでの配信が可能となっています。個人的にはかなり画期的な商品だと思っています。
大和田 二つ目が一定期間の出稿で通常料金以上の露出を保証する「フリースポット配信」です。例えば、トレインチャンネルのフリースポット配信1,000万円をお申込みいただくと、出稿保証額2,500万円分を配信します。
―――1,000万円の申込で2,500万円分の配信ですか? 単純に2.5倍の露出が見込めるわけですね。すごい!!
大和田 大変お得なプランとなっています。感想ですが、imp(インプレッション)数もWeb広告と比較しても遜色ないと思います。
大和田 そしてMASTRUM(マストラム)にてご出稿いただいたお客様には配信後にレポートを提出させていただきます。
OOH(交通・屋外広告)に出稿した後、どれくらいの人に訴求できたのかをデータでお示しすることができるようになりました。
実際に広告に接触したimp(インプレッション)数、視聴者の概要、曜日別性年代別分布、時間帯別性年代分布などリアルな広告効果をデータでご報告させていただきます。
―――今まで以上に効果がデータで見えるようになったのですね。
大和田 そうです。詳しい情報が知りたい方はセールスシートをご用意していますのでそちらをご覧ください。
*ご質問はお問い合わせフォームからお気軽にお問合せください。
―――実際にセールスをされていかがですか?
大村 MASTRUM(マストラム)はお客様の課題をこれまで以上に解決できるものだと実感しています。
具体的には、広告商材的に夜帯だけ放映したい、応援広告で1日間だけの配信をしたい、とにかくimp(インプレッション)数を稼ぎたい、広告出稿によりどれだけの人にリーチしたのかを知りたい、などこれまで頂いてはいたが、解決できていなかった複数の要望に柔軟にお応えできるようになりました。
また、将来的には入稿から放映までのタイムラグが短くなり思い立ったらすぐに広告放映ができるようになる等、MASTRUM(マストラム)の今後の発展に合わせて、適宜営業活動は柔軟に変更していく必要があると考えております。個人的にもお客様が本当に「欲しい」ものをお届けできるのはとても嬉しく感じております。
―――お申込み状況はいかがですか?
大村 おかげさまで複数のお客様からお申し込みをいただいております。お問い合わせも予想以上にいただいており、うれしい悲鳴を上げています(笑)
―――ちなみにどのような目的でMASTRUM(マストラム)の商品をお申込みいただいているのでしょうか?
大村 例えば以下のような経緯でお申込をいただいております。
・エンターテインメント業界:イベント日前後のみピンポイントで厚く配信したい
・外資系広告主:社内説明するために数字(データ)が欲しい
・BtoB商材:サラリーマンに効率よく訴求するため朝帯のみ配信したい
・製薬系広告主:分割されたことで金額的に購入しやすくなった
他にも「このようなことができないか?」というご要望をいただければ前向きに対応していきますので是非お問い合わせください!!
大村 先ほど大和田より掲出後のデータ提供のお話をさせていただきましたが、出稿前にも曜日別、時間帯別の性年代別の含有率などのデータをご提示できます。
例えば相対的に女性が多い曜日かつ時間帯に掲出したい等の要望に応えられるデータとなっておりますのでまずはお気軽にお問合せ頂ければと思います。
―――より精度の高いご提案ができるようになったのですね。
―――最後にMASTRUM(マストラム)の今後の展望・野望を教えていただけますか?
四條 更なるデータの充実と配信システムの強化です。
広告主様にとって必要なデータを拡充させます。
どのようなデータがマーケティング課題解決に役に立つのか、例えば来店まで計測したいというニーズがあるかなど伺いながら、優先順位をつけてアップデートしていきます。
さらに配信面においては、最適な人に最適なタイミングに配信できるような環境整備を行っていきます。メディアオーナー様の配信環境も加味して柔軟な対応ができるようさまざまな検証を行っております。
大和田 メディアオーナー様のご協力を得て、まずは配信面を更に拡充させます。
配信面が充実するとマーケットプレイス(取引市場)の魅力が増し、広告主様も集まってきます。
結果、取引が活発になり今まで認知されていなかった媒体も知られて売れるようになります。そしてさらに取引が活性化し、みんな気づいたらやっているというような未来を目指したいです。
今の広告主様には「まずやってみましょう」といいたいです。そしてデータを見て、PDCAサイクルを回していただければと思います。
β版カルチャーとでもいうか、実施していただきながら改善点を伺い、一緒にアップデートしていければと思います。
―――海外展開はどのように考えていますか?
四條 日本のOOH(交通・屋外広告)市場は実は世界第3位の規模を誇り、海外からの問い合わせや申込みの機会も増えております。
一方で、鉄道網の発達による交通広告の充実など日本独自のOOH(交通・屋外広告)の価値がきちんと伝わっていない面もあるのではという懸念があります。よって今後はきちんと啓蒙活動を行ってまいります。
その上で海外の広告主様、メディアオーナー様への積極的なアプローチを行い、マーケットプレイス(取引市場)の拡充を図り、市場の全体の活性化に貢献したいです。
大村 広告媒体なので広告主様の要望をかなえることが一番大事だと認識しています。
広告主様の要望をかなえることで広告会社様、メディアオーナー様の売上最大化につなげ、OOH(交通・屋外広告)全体の活性化に寄与させます。
そのために、積極的にご要望を吸い上げて、MASTRUM(マストラム)に反映していくことが重要事項と考えています。
いかがでしたでしょうか?
データを活用した新しいOOHのマーケットプレイスMASTRUM(マストラム)。
今までにない新しいOOH(交通・屋外広告)の可能性を感じていただけたのではないでしょうか?
詳しい情報が知りたい方はセールスシートをご用意していますのでそちらをご覧ください。
さらに詳しい話をお聞きになりたい方はぜひ以下よりお問い合わせください。
最後までご精読ありがとうございました。