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2022.06.23

最初のマス広告は首都圏車両内ジャック‼ WordPressテーマ「TCD」の認知拡大に向けた大胆な広告戦略に迫る

「TCD」ADトレイン

中づり

山手線ADトレイン

山手線ジャック

  • CLIENT

    株式会社デザインプラス

  • AREA

    首都圏

  • CASE

    時期:2022年5月16日~5月31日 実施メディア:ADトレイン(山手線、京浜東北線・根岸線、中央線快速、中央線・総武線各停、横須賀線・総武線快速、武蔵野線、南武線)、Hライナー・Tライナー[広告貸切電車](日比谷線・東西線)

2022年5月、一見風変わりなキャッチコピーの広告が電車の車両内をジャックしました。
この強烈なインパクトを残す広告は、TCDというWordPressを用いたWEBサイト制作のデザインテンプレートを販売する株式会社デザインプラスによるもの。見た人が思わずサービス詳細を調べたくなるような良質な広告クリエイティブですが、意外にも交通広告の実施は初めて。いきなり車両内ジャック展開を行ったその大胆な意図を、その仕掛人にUniversal OOH編集部がお話を伺いました。

株式会社デザインプラス
代表取締役社長 中田俊行氏(写真手前左)
デザイナー 杉尾佳則氏(写真手前右)

デザインプラス インタビュー

Why? OOH
OOHメディアに期待したこと

  • 「WordPress」という存在を知らない層、特に若い方々の新規認知を取る(WEB広告では限界あり)

  • 首都圏の象徴でもある電鉄で交通広告を出稿することで、商品の認知や信頼性を向上させて、その影響を地方にも派生させたかった

  • サービスのテーマ数が80以上あるので、その多様性を表現するにあたって、マス広告の中でも空間を演出できる車両内ジャックは、クリエイティブの作りがいがあると考えた

  • 生活動線である電車内を明るく彩ることで、コロナ禍で閉塞感のある世の中の雰囲気を少しでも和ませたかった

首都圏での認知獲得を目的に初めての交通広告を実施!

―――OOHメディア(交通広告・屋外広告)を出稿された背景や目的を教えてください。

杉尾 今までWEB広告を中心にプロモーションを行っていました。的確にセグメントした認知を稼げる一方で、マーケティングの次のステップとして不特定多数への認知を稼ぐマス広告を実施する必要があると感じていました。WordPressをすでに知っている人への認知は取れており、お客さんは増えてきているのですが、「WordPress」という存在を知らない層、特に若い方々が興味を持って新規でブログなどを作っていただくためには、適した場所で新規認知を取る動きをする必要があると考えました。

中田 東京での認知は特に重要だと考えていました。東京で認知が取れれば、その影響力により地方にも派生していくと考えています。首都圏の象徴でもある電鉄で交通広告を出稿することで、認知拡大はもちろん、商品の信頼性を向上させることにもつながると考えました。

―――初めての交通広告がいきなり車両内ジャックというのは、とても大胆ですね。どのような意図があったのでしょうか。

杉尾 広告出稿を検討する場合、「予算内で何ができるか」を考えることが一般的ですが、我々は目的を達成できなければ意味がないと考えます。我々の目的は首都圏でターゲットに強い認知を取ることでしたので、どうせ車両広告を実施するならジャックしようと、決断は割と早かったですね。「一気にいかないと埋もれてしまう」という意識もありました。
また、テーマ数が80以上あるので、その多様性を表現するにあたって、マス広告の中でも空間を演出できる車両内ジャックは、クリエイティブの作りがいのある目的に沿ったものでした。

中田 以前、当時はほぼ無名であった経営者が車内をジャックする広告を行い、そこから世間的に有名になった事例を知っています。
もう何年も前の事例なのに未だに印象に強く残っているのは、電車広告の影響力はもちろんのこと、首都圏の象徴的な公共空間に私人が広告として出演している、というある種の違和感が印象をより強いものにしているのかもしれませんね。

―――OOHメディア出稿にあたり、クリエイティブなどこだわった点があれば教えてください。

杉尾 今回クリエイティブには「ぶっとびかんたん」「めっちゃかんたん」「だれでもかんたん」というかなりくだけたキャッチコピーを使っています。公共の場である電車内に鮮やかなクリエイティブで掲出することで、「いったい何の広告だろう?」とターゲットの興味を惹くことが狙いです。
あわせて、利用者の目線の順番を意識してクリエイティブを作成しました。
乗車後座席に座ってまず目に入るのは中づり、その後窓横のポスターに目線を落とすと仮定してクリエイティブを使い分けています。
このように空間を上手く使いこなすことができれば、他のメディアよりも視認者の興味を惹くことができると思います。空間の制限があるからこその醍醐味であるかもしれませんね。
ビタミンカラーで彩ったクリエイティブには、車内を明るく元気な雰囲気にしたい狙いもありました。生活動線である電車内を明るく彩ることで、コロナ禍で閉塞感のある世の中の雰囲気を少しでも和ませたいと思ったのです。そのようなポジティブな広告体験は、商品の期待感も高めることにつながるのではないかと考えます。「WordPressって難しいんだろうな」というイメージも変えることが出来るかもしれません。


山手線ジャック

OOHメディアならではの出稿後の反響とは?

―――実際に掲出の様子をご覧いただいたそうですが、乗車時の感想があればぜひ教えてください。

杉尾 やっぱり、動画広告をじーっと見ている方が結構いらっしゃるな、という印象を受けました。
動きのあるサイネージ広告は、乗車しているシチュエーションにおいてやはり唯一無二の存在だと思います。

中田 動画広告ではなくスマートフォンを見ている方も当然いらっしゃいますが、車両内をジャックしていると乗降時に何かしらの広告が視界に入るので、気付いたタイミングで車内を見回し、ジャックしていることに気が付いた様子の方が結構いらっしゃいました。アドトレインにしたことでより記憶に残る認知になっていると期待しております。

山手線ADトレイン
中づり

―――出稿後の具体的な成果や反響があれば教えてください。

中田 SNSで広告をツイートしていただいているのを実際に見ました。
アドトレインにしたからこそ、人に共有したくなるようなインパクトを生めたと思っていますし、二次拡散にもつながったので満足しています。
WordPressは世界シェアトップの歴史の深いCMSである一方、国内では残念ながらニッチな分野に留まっています。車両内ジャックという影響力の大きなマス広告に掲載してもらったことで、メジャーなステージにWordPressの名前が出てきたことを素直に喜んでくださった同業の方がたくさんいた印象でした。
マス広告を定期的に掲載していくと、WordPressが国内でも一般的なWebサイト作成ツールになるのだろうという実感が今回のトレインジャックで持てました。「夢がある」と言ってくださった方もいたので、それだけで成功です。

―――SNSやメールマガジンでも積極的に発信されていましたね。

中田 トレインジャックを単なる広告宣伝で終わらせるのではなく、掲載したこと自体をコンテンツにしました。TCDにはローンチ以来のコアなユーザーがついてくださっているので、掲載までの流れを知ってもらうことで物語のように一緒に楽しんでもらえるコンテンツにしました。これによって、既存ユーザー様に対するTCDへの注目度が増した感じはあります。誰もが身近にある交通メディアだからこそ、こうした試みを共有して楽しめたのではないかと思います。

―――今後のOOHメディアに期待したいことがあれば教えてください。

杉尾 海外のようにもっともっと巨大なサイネージが出てくると、クリエイティブ表現の可能性が広がるので面白いと思います。
海外に比べて日本は屋外広告の規制が厳しいなどの事情もあるかとは思いますが、面白い事例をどんどん発信していくことで規制緩和の流れもできて、新しいメディアが生まれていくことを期待しております。

【参考記事】

トレインジャックとは?実際に広告を出して費用対効果を検証。

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