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2022.09.06

はじめての交通広告。 ~交通広告グランプリ2022の受賞作品で考える、目的達成のためのアイデア~

実はいろいろ使える。交通広告ビギナーに贈る交通広告の活用入門。
「WEB広告を中心に展開してきたけれど、少し手詰まりを感じている」、「SNSで話題になることをやってみたいけど、どんな手法があるのか知りたい」、「上司から新しいメディアを提案しろと言われた」、「交通広告をやってみたいけど、どんなメディアを選んだらいいんだろう」…。そんなあなたのために。このページでは、どこよりもわかりやすく、交通広告のいろいろな使い方のヒントをお届けしていきます。
 
 
交通広告グランプリ2022受賞作品紹介

Universal OOH 編集部が徹底解説する、ユニークなメディア活用ノウハウ。
交通広告グランプリ2022の受賞作品から。

いま、このコラムをご覧になっているあなたは、どんな課題と向き合っていますか。たとえば「この予算で、より効果的な方法はないか」というお馴染みの課題。この課題の裏には「もっと予算があれば、あんなことをやって、カンタンに広告目的を達成できるのに」というジレンマがあるでしょう。また、「商品の伝え方をいろいろと工夫してきたけれど、いまいち伝わっているとは思えない」であるとか。いずれにせよ必要なのは、「課題を乗り越えるアイデア」ではないでしょうか。そして、素晴らしいアイデアを見つけるために、ひとつの近道は優れた広告に学ぶことです。
今回は、交通広告グランプリ2022の受賞作品の中から、Universal OOH 編集部独自の視点で「工夫やアイデアが光る」作品をピックアップして紹介していきます。ちなみに、各広告の広告主や制作サイドに、課題や工夫・アイデアについて確認することは、あえてしません。なぜなら広告は「受け手がどう捉えたか」がすべてだから。受け手の視点に立って、その広告が向き合った課題や、それを解決したメディア活用の工夫を逆算する手法をとります。このコラムが、いま向き合っている課題を乗り越えるヒントになれば、と考えています。

交通広告グランプリ2023のページとあわせてご覧ください。
権利の関係により当サイトでは受賞作品を直接掲載することができません。
下記リンクより「交通広告グランプリ2022」受賞作品ページを開き、参照しながらご覧ください。

交通広告グランプリ 過去受賞作品

1.15秒30秒では描けない。ストーリーを届けるなら交通広告。

ブランドと視聴者との間で、深い共感を作りたい。そんなとき、ストーリー仕立ての表現はとても有効。ただ、ムズカシイのはそれをどこで放映するかです。テレビで60秒以上の枠を使うのは予算もかかるうえに、押さえられる枠が限られていて、せっかく作った表現も数回しか放映できないことも。一方で動画サイトの場合は、スキップされないようにするためにストーリーの構造・手法が縛られてきてしまいます。今回の受賞作「虫好きの少女」は、ストーリー仕立ての表現をトレインチャンネルで放映することで、不特定多数の人に対し、ブランドへの関心や共感を促すことに成功している、これも技ありの作品ではないでしょうか。調べてみると、WEB広告版は160秒の長さがありますが、トレインチャンネル用は90秒にリサイズされています。それでも、十分にストーリーを味わえる仕上がりとなっています。国によっては60秒や90秒はメジャーなサイズ。これからトレインチャンネルで、このような長尺CMが増えていくと、楽しみが増えていきそうです。

2.実際に買ってもらう、に、つなげるなら交通広告。


企画会議がちょっと長引いてきて、いったん休憩入れようか、というタイミング。お茶かコーヒー、どっちにします?というところで、「紅茶どうですか?」と提案する若手社員。ちょっとしたその新鮮さに、みんなが次々と「紅茶」に手を挙げる。この動画広告、見たことがある方も多いのではないでしょうか。長い会議や変わらない毎日など、ちょっぴり停滞気味の気分に気持ちいい刺激を与えてくれる、そんなアイテムとして描かれている「紅茶」。CMの出演者たちと同じく、「あ、紅茶、いいかも」と思ってくれた視聴者に対し、出勤時あるいは得意先回りから帰社するタイミングで、もう一度「あ、紅茶」を思い出してもらい、コンビニに寄ってもらう。おそらく受賞作のまど上ポスターは、そんな役割を担っているのではないでしょうか。In Homeでの視聴体験と、リアルな日常生活、リアルな売り場との中継点として活躍できる、これも交通広告の強みです。

3.ターゲティングを効かせるなら交通広告。


コロナ禍を経て、より具体的な話題となっている「ワーケーション」と「移住」。働き方に関わる旬の話題を捉えて登場したのが2つの受賞作、「#鳥取家族 鳥取市ワーケーション」と「転職しない、ちょうどいい移住しませんか?」です。この2作、調べてみると「#鳥取家族 鳥取市ワーケーション」は、東京駅の「パノラマ東京」という枠、「転職しない、ちょうどいい移住しませんか?」は、新橋駅の「ロングサイズ新橋AB」という枠に掲出されていました。東京駅・新橋駅といえば、まさに都内でもオフィスワーカーの利用の多さで代表的な駅。ターゲットに対しダイレクトにメッセージを届ける狙いが見て取れます。オフィスワーカーの東京駅・新橋駅以外にも、オタク文化の秋葉原駅、ファッションの原宿駅など、山手線の各駅には、それぞれ異なるカラーがあります。広告のテーマ、ターゲットに合わせて「効く駅」を選ぶと、ユニークなコミュニケーションを作ることができるでしょう。

4.コアファンを捉えてSNSでの拡がりを狙うなら交通広告。


可能な限り大量に露出して、多くの人に見てもらう。これまでの広告の鉄則に加え、新たな盛り上がりを見せているのが、狭く濃く広告を打って、SNSでの拡散をめざす手法。新宿駅の世界最長45.6mものデジタルサイネージを使い、60秒もの長尺広告を展開した「進撃の巨人」、そして、コンテンツにとってまさに聖地と言える亀有で集中的に駅ポスターを展開した「ただいま!『こち亀』亀有駅ジャック」は、まさにその傑作ではないでしょうか。もしかすると、60秒もの動画を最初から最後まで見た人は僅かかもしれません。亀有駅のポスター展開をすべて見た人も僅かかもしれません。それでも、コアなファンは確実にすべてをチェックし、スマホで撮り、SNSに上げ、それを見たファンがまたそれを話題にし、大きな拡がりになったことは間違いないでしょう。動画に静止画、巨大な媒体から駅ジャックや車体広告まで、ファンの心をつかむさまざまな仕掛けの自由度が交通広告の強みです。次はどんな仕掛けが出てくるのか、楽しみです。

5.商品をうまく魅せるなら交通広告。


前の項目で、「さまざまな仕掛けの自由度が交通広告の強み」とお知らせしましたが、その自由度を活用して、これまでにない商品の魅せ方を実現したのが、受賞作「Audi e-tron GT 誕生」ではないでしょうか。クルマの走行シーンを魅せようというとき、これまでも、上空から撮る、同行するクルマにカメラを載せて撮る、など、さまざまな撮り方がなされてきました。しかし今回の作品で表現されている、45.6mもの画面を左から右へ、スーッとクルマが走り抜ける映像は、なかなか見たことがありません。でも実はこの動きこそ、たとえば交差点に立っているとき、目の前をクルマが走り抜けていく、もっとも自然な姿です。それゆえに、これまで見てきたクルマとの違い、美しさをいちばん感じてもらえる魅せ方だったのではないでしょうか。45.6mのデジタルサイネージとクルマの魅せ方以外にも、工夫とアイデアで、商品をいままでと違う魅せ方ができる媒体があるかもしれません。もう一度、交通広告のバリエーションと目の前の商品を見比べてみてはいかがでしょうか。

まとめ。

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したのは交通広告グランプリ2022の受賞作品のうちのほんの一部です。さまざまなブランドが、表現と媒体の組み合わせを上手に使って発信した素晴らしい作品が、ほかにもたくさんあります。ぜひ特設サイトをご訪問のうえ受賞作品をご覧になってみてください。また、ここでご紹介したさまざまな媒体をはじめ、OOHメディアについてより詳しくお知りになりたい方は、当サイトの「お問い合わせ」からお気軽にお尋ねください。このコラムをご覧いただいた方の関わった、よりユニークで気の利いた広告とお会いできることを楽しみにしております。

ご精読ありがとうございました。

→ 交通広告グランプリ 

<2023年4月28日更新>

AUTHOR

ライター Universal OOH 編集部

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