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2023.04.30

OOH(Out of Home)のシェアラビリティについて ~OOHメディアとSNS拡散の関係性~

OOHとは本来、人々の移動の動線上で、企業の商品やサービスに触れさせることによって気付きを与えるメディアで、マスメディアではリーチが難しくなった特に若年層に対して、効率的にメッセージを届けることが期待されるメディアとされています。

近年、街を歩いていると、OOHのポスターやデジタルサイネージ広告を、スマートフォンのカメラで撮影している光景を、よく目にするようになった気がします。そればかりかOOHの広告が、SNS上でシェアされ、バズるといった二次拡散という現象も起こっているようです。

今回は、そんなOOHとSNSへの投稿・拡散の関係性がテーマ。一体どれほどの人がOOHをSNSに投稿したことがあるのか? また、二次拡散に至りやすいコンテンツはなにか?
まさに、〈OOHのシェアラビリティ〉について、アンケート回答の結果から定量的に分析・検証してみたいと思います。

街中のOOHの撮影経験

【図1】あなたは街中の広告(OOH)を、スマートフォンのカメラ等で撮影した経験がありますか

まず最初に、スマートフォンのカメラで街中のOOH広告を撮影したことがあるかを全世代に聞いてみたところ、10.0%の方が「撮影したことがある」と答えました。(図1)

次に、撮影したことがあると答えた方々の性年代の内訳を見てみます。(図2)

【図2】撮影したことがあると回答した性年代別

性年代別で最もスコアが高かったのは、18~29歳の女性という結果となりました。
次いで、18~29歳男性、30代女性という順です。この結果から若年層ほど、OOHを撮影しやすい、ということが言えそうです。一方で、年齢が上がるに従ってOOH撮影経験も下がるのかと思いきや、50代・60代でも一定の経験層がいることが分かります。

街中でOOH広告を撮影した理由と、その中身

【図3】OOH広告を撮影した理由(複数回答)

次に、街中でOOHを撮影した理由について聞いてみると(図3)、「好きなタレントやキャラクターだったから(33.3%)」という回答が最も高く、1/3の人が好きなタレントやキャラクター目当てでOOHを撮影しているという結果が得られました。「友人や知人に見せるため(23.3%)」「見つけた記念として(22.5%)」という回答が続き、OOHがコミュニケーションの一端を担っていることも垣間見えました。
また、「広告の内容(商品・サービス・イベントなど)に興味を持ったから(22.5%)」「広告の内容(商品・サービス・イベントなど)を忘れないように(20.0%)」という広告そのものに対しての回答も上位にあり、OOHが商品の興味喚起に寄与していたことも窺えます。一方、少数派の意見として、「デザインが好み」「懸賞応募」というような声が聞かれました。

【図4】撮影した広告の登場人物・キャラクター(複数回答)

さらに、OOHに登場した人物やキャラクターが、どんなものだったのかを聞いてみました。(図4)
最も高かったのは「アニメや漫画のキャラクター(25.0%)」、次点として「歌手・アーティスト」「企業の公式キャラクター」「企業の商品」(すべて17.5%)という結果となりました。

OOH広告のSNS投稿

最後に、撮影したOOH広告をSNSに投稿したことがあるか。その経験を聞いてみます。(図5)

【図5】自身で撮影したOOHを、SNSに投稿したことがある

自身で撮影したOOHを、SNSに投稿したことがあると回答したのは、実に49.2%となりました。約半数が投稿の経験があることから、自身の周りにいる友人や知人間で話題にするだけではなく、OOHがSNSと非常に相性のいい関係性にあることが言えそうです。

【図6】SNSに投稿したことがあると回答した性年代別

性年代別で回答の詳細を見てみると(図6)、男性18~29歳ではOOHを撮影した人のうち80.0%がSNSに投稿した経験があると回答しています。
女性30代(69.2%)、男性30代(60.0%)、女性18~29歳(58.8%)と若い世代で、OOHをSNSに投稿した経験が非常に高いことが分かりました。

まとめ

OOHは、直接視認効果だけではなく、SNSへの二次拡散という波及効果が狙えるブーストメディアであった。今回、特に若年層世代で、SNSへの波及効果が高いという結果が得られました。

OOHというと、首都圏や名阪など、人口密集地域におけるエリアマーケティングの側面がいまだに強い傾向にありますが、時代性やトレンドに合ったキャスティングやクリエイティブ制作を行うことで、SNS上への波及効果が期待でき、その出稿効果を全国規模に広げることもできるという可能性を示せたと言える結果でしょう。

広告主や広告会社のアイデア次第で、OOHの可能性は無限大に広がっているのかもしれません。

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ライター ジェイアール東日本企画 Move Design Lab

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