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2022.04.27

屋外・交通広告があるじゃないか ~クリエイティブの視点で、OOHの魅力とノウハウを大解剖! 第四回

30年間、OOH広告制作と向き合って、見えてきたことがあります。
 
jekiクリエイティブには、OOH広告制作の知見が蓄積されています。なぜなら、jekiが広告会社であると同時に、JR東日本の交通媒体を扱う媒体社であるから。そしてメインクライアントのJR東日本が、交通広告を多用する会社であるから。

このコラムでは、「屋外・交通広告を使ってみたい」と考えている方々、あるいは、「他のメディアを使っているけど、もっとおもしろいメディアはないか」と探している方々へ、私たちが30年間の広告制作業務を通じて見出してきたOOHならではの魅力、そして使い方のコツをお知らせしていきます。

もちろん、このコラムに書かれていることが全てではありません。このコラムをヒントに、これまでにない新しいOOHの使い方や、見る人をあっと驚かせる表現が生まれ、駅や車内、街が、もっともっとにぎやかになれば幸いです。

前回はこちら

コラム「屋外・交通広告があるじゃないか」は、全四回のシリーズです。

◎第一回 
・OOH「ならでは」の魅力 その1 「ちょいとご近所のみなさん、聞いてくださいよ力」
・OOH「ならでは」の魅力 その2 「あさっての方向から弾が飛んでくる力」
◎第二回
・OOH「ならでは」の魅力 その3 「語り合う言霊の力」
・OOH「ならでは」の魅力 その4 「犬が西向きゃ、尾は東の力」
◎第三回
・OOH「使い方のコツ」 その1
◎第四回
・OOH「使い方のコツ」 その2

定量的な分析は、いろいろなところで書かれているので、クリエイティブの現場の視点で、ご紹介していきます。

OOH 使い方のコツ その2 
「こういう時は、このメディア」

 
さて、「屋外・交通広告があるじゃないか~クリエイティブの視点で、OOHの魅力とノウハウを大解剖!」第一回、第二回では、私たちが経験的に見出してきた、OOH「ならでは」の魅力をご紹介してきましたが、第三回、第四回では、もっと実践的に。テンポよく。「こういう時は、このメディア」と題して、広告制作やプランニングの場で役に立つ、メディア選びの定石をお知らせします。

もちろん、逆説的に、「このメディアでできることって、どんなアイデアがあるだろう」「なんだかアイデアが煮詰まっちゃったな」という時にも。ぜひお役立てください。

その11 SNSで拡散してもらいたい。→駅の大型メディア。階段の蹴上がり広告ほか。

もちろん、B1サイズの駅ポスターでも、内容がおもしろければSNSで拡散してもらえるでしょう。ですが、やっぱり「これ、SNSで紹介してみんなに見せたい!」と思わせるには、「他と違う!」「目立つ!」「驚いた!」「おもしろい!」が大切。そのあたりを計算すると、大きさで視界を圧倒する駅の大型メディアは有力です。

また、階段の蹴上がり広告や、つり革広告、改札口ステッカーなど、ちょっと特殊な広告スペースを、「そのメディアならでは」のアイデア一発で「おもしろい!」につなげることも考えられるでしょう。

大型駅メディア

その12 安く高校生をつかまえたい。→地方ローカル線の車内ポスターや駅ポスター。

お金が十分にあるのであれば、いろいろなメディアが考えられますが、できるだけ安く、ということであれば、地方ローカル線はいかがでしょう。

地域によっては、まるでスクールバスであるかのように朝夕、通学の高校生でにぎわう路線もあります。ターゲット含有率が高く、しかも広告料金はお手頃。当然のことながら、首都圏の高校生は手薄になってしまうので、首都圏を含む高校生全体をカバーしたい場合は、表現で頑張って世代間のSNS拡散を狙うことが必須になるかもしれません。

ただ、テレビやラジオでも、地方局で人気を博した番組が、全国ネットにあがってくるケースもあるので、可能性に賭けてみる価値はあるのではないでしょうか。

郊外の路線

その13 おやつ、パン、飲料。→駅のコンビニ・売店のビジョン。

買い回り品の場合、売り場に近いところでの広告が有効。これはある意味、広告の定石です。
特に通勤通学の途上での購入が多く期待できる、おやつ・パン・飲料系は、駅のコンビニや売店のビジョンはいかがでしょう。

ほとんどの駅の場合、ビジョンは店舗の入り口付近に設置されており、また、店舗自体が通行量の多い通路に面している場合が多いので、通勤通学のお客さまに効率よく接触することができます。さらに条件が整えば、単純な広告出稿のみならず店舗内の陳列とセットでのアプローチが可能なケースもあります。新商品のプロモーションなどに有効です。

NEWDAYSビジョン

その14 応援広告など、1枚単位で広告したい。→駅ポスター。

応援広告とは、推しのタレントを応援するために、ファンがクラウドファンディングなどで資金を集め、自ら制作し掲出する、韓国で大流行した広告スタイルです。日本の場合、完全な個人での広告掲出を認めている媒体は少ないため、団体をつくる必要がありますが、それ以外のプロセスはほぼ同様で、少しずつ流行している動きです。

応援広告のように、1点モノ、あるいは数点、数ヶ所のみで広告したい場合は、駅ポスターがフットワークもよく便利です。応援広告用に考えられた広告商品も出てきているので、それらを利用すると便利でしょう。

駅ポスター広告

その15 マインドシェアを獲りたい。→長期のビル広告。

阪神タイガースが優勝すると、道頓堀にファンが飛び込む映像がニュースに流れますが、その映像の話をすると、“あの”キャラメルのキャラクターの電飾看板を思い出す方も多いのではないでしょうか。
多くの人に、問答無用で自社のブランドを刷り込みたい、という目的であれば、長期のビル広告が有効です。

この手法は、昭和の時代、大いに栄えた方法で、往時は多くのメジャー企業が趣向を凝らした立体看板などを街の目立つ場所に掲げていました。
最近はあまり用いられない手法ではありますが、マス広告の領域が変化しつつあるいま、改めて見直してもよい手法ではないかと考えています。「渋谷に○○社の看板がある交差点あるでしょ」と、自社のブランドが街のランドマークになったら。素敵だと思いませんか。

屋外広告

その16 ブランドとユーザーの絆を深める。→駅ポスター、ほか。

ユーザーのブランドへの愛着をより高めていただくには、“ブランドの体験“が有効です。この視点で考えたとき、OOH広告を使っておもしろい試みをしているブランドが増えてきています。

たとえば、数十枚のポスターをつくり、掲出箇所を伏せてオンラインで情報発信をする。ファンはポスターが貼られている駅を探し、発見するとSNSで共有。「あそこで見た」「ここにもあった」「そうなると3枚目はあそこの駅かもしれない」。ブランドを取り巻くファンの会話がSNS上で盛り上がり、いつの間にか、全国の駅を舞台にしたオリエンテーリング状態に。ブランド側もポスターの表現や公式アカウントから適宜、情報発信することで、ブランドとファンが一体化した体験が展開されたりしています。

“広く告げる場”のみならず、ブランドとファンが“一緒に楽しむ場”としてOOH広告を利用する。この方向は今後もっと発展していきそうです。

駅ポスター広告

その17 効率よく広い層をカバーしたい。→京浜東北線、中央・総武緩行線ほか。

京浜東北線の車両は、埼玉県の大宮駅から東京都を経て、神奈川県鎌倉市の大船駅まで実に81.2km。長大な路線を毎日往復しています。中央・総武緩行線もまたしかり。沿線には、ビジネス街はもちろん、商業地域、繁華街、工業地帯、ベッドタウン、大学・高校・病院・役所と、ありとあらゆる表情を持った地域があり、さまざまな人がさまざまな目的で利用している路線であることから、これら路線の電車内広告は、非常に広いリーチが見込めることが魅力です。

この事例は、首都圏JRのケースですが、他私鉄や関西圏、中京圏においても長大な運用をしている路線に注目してみることは有効です。2社間、3社間の相互乗り入れも勘案すると、より費用対効果の高い運用が可能です。

京浜東北線

その18 実物の商品に触れさせたい。→駅のイベントスペース。

コロナ禍による生活様式の変化もあって、Eコマースでの販売が引き続き伸びている中、たとえば衣類や靴は当然のこと、理美容家電やデジタルガジェット、アウトドア用品からインテリア類にいたるまで。質感や素材感、コンパクトさなどにこだわりがある商品を抱え、ユーザーが実際に商品に手を触れる機会の乏しさでお悩みのケースも多くあるのではないでしょうか。

そこでご提案したいのが駅のイベントスペースです。スペースの広さは千差万別ですが、工夫しだいで商品と生活者のリアルな接点をつくることができます。在庫スペースがどうしても嵩張ってしまうシューズなどの場合、試着・サイズ合わせのみをイベントスペースで利用していただき、購入はオンラインで、といった活用も可能です。満を持しての新商品リリースの時期など、多くの人が行き交う一等地にアンテナショップを開いてみてはいかがでしょうか。

イベントスペース

その19 やっぱり話題になりたい。→ハツモノをとらえる。

「OOH 使い方のコツ」の最後は、ご紹介した「コツ」のまとめも兼ねて。いつだって広告は話題になることが大切。その時、ハツモノの広告メディア、ハツモノの広告スペースの利用は、それだけで話題になるチャンスを秘めています。昨日まで広告のなかった場所で、新しい広告に出会う。さらに、その場所やその広告メディアの特徴を生かしたおもしろい表現アプローチがあれば、「誰かに話してみたい」体験につながる可能性は高いでしょう。

ハツモノの広告メディア、広告スペースは、いつでもあるものではありませんが、世の中が変わりつつあるいまは、OOH広告を管理している各社においても、より使いやすく、より便利に、日々、広告メディアやスペースのバージョンアップを進めている時期でもあります。ハツモノを首尾よく捉えられるように。ぜひぜひ、当サイトを定期的に訪れるなど、OOH広告にアンテナを張っておくことをおすすめします。

まとめ

今回のコラムでは、さまざまなメディアの広告制作に携わる中で、私たちが経験的に感じとってきた「OOH 使い方のコツ」をご紹介しました。しかし、毎度、こちらでお知らせしているように、ここで発信していることが全てである、などということは絶対にありません。むしろ、ここでお知らせしたことをヒントにしていただき、もっとユニークな表現や使い方が生まれることを願っています。

いままでのOOHにはなかった、誰も見たことのない新しいアイデアを開発し、OOHの新しい魅力や使い方を生み出すのはあなたかもしれません。「こんなことできないかな。」「こんなことを考えているんだけど、どんなメディアが有利だろう。」などなど。気になることがあれば、ぜひ当サイトのお問い合わせからお気軽にアクセスしてみてください。

全四回で展開した「屋外・交通広告があるじゃないか」は、今回でいったん終了します。

気になる続きは以下から!OOHの魅力、徹底的に解説します。
屋外・交通広告があるじゃないか 第一回へのリンク
屋外・交通広告があるじゃないか 第二回へのリンク
屋外・交通広告があるじゃないか 第三回へのリンク

ご精読ありがとうございました。

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AUTHOR

ライター Universal OOH 編集部

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