2022.06.29
Universal OOH編集部です。
このコラムでは、生活に密接に関わる鉄道の駅で、必ずと言っていいほど見かける広告についてご紹介します。普段駅をご利用される方でしたら、コンコースのポスターやサインボード、階段横や柱に巻かれたシートから、大型のデジタルサイネージまで、さまざまなメディアが想起できるのではないでしょうか。
本記事では、「駅広告」の基礎からメディアの特徴、メディアの種類や展開事例についても併せてご紹介いたします。
駅広告とは、鉄道の駅に掲出する広告の総称となり、通勤・通学をする鉄道利用者や、その駅周辺エリアの来訪者に向けて告知するメディアおよび広告展開を指します。
鉄道網が発達している日本は、生活者の暮らしと駅が密接に関わっており、世界各地のOOH業界と比べると、駅広告の存在感が大きい国です。
そのため、地域密着性を重視した告知展開から、大きなターミナル駅での大型キャンペーン展開まで、さまざまな活用方法が見られるメディアです。
駅ごとに性質が異なるため、そこに設置される駅メディアも種類が非常に多いという特徴があります。駅ポスターや看板はもちろん、壁や柱に設置されるデジタルサイネージやシート広告、改札機のステッカー、天井から吊り下げるフラッグや横断幕広告、イベントを開催できるスペースなど、広告主さまのさまざまなニーズに応えるメディアが豊富に揃っています。
具体的な駅広告メディアはこちらのページからご覧いただけます。
テレビ、雑誌、インターネット、ラジオとメディアが多様化する中で、電車広告は高いリーチ率を確保できることも強みとして挙げられます。例えばJR東日本だと1週間延べ11,290万人と、多くの方が電車を利用しているため、広告が目に触れる機会が大幅に増えます。
その中でも特に電車広告ですと、限られた空間で広告に接触されるため、中づり・まど上・ドア横新Bやステッカーなどの車内媒体は週1回以上接触する割合が高い傾向にあり、訴求効果の高い広告と言えます。
当然ながら広告を掲出する駅を選定できるので駅来訪者へと訴求したい場合、ピンポイントにセグメントすることができます。告知したい店舗や施設が最寄り駅にあるのであれば、最寄り駅の広告は最適なメディアになりますし、
Z世代・若年層を狙いたい→原宿、渋谷
ビジネスパーソンを狙いたい→品川、新橋
大学生を狙いたい→吉祥寺、高田馬場
といったように、駅の特性を踏まえることで、商材のターゲット層を高い濃度で捕捉することができます。
当社は、利用者数や性別・年代の構成比に加え、JR東日本各駅の利用者属性や改札口別利用率を独自の調査でデータ化しており、ターゲットに対する最適な駅メディアプランをご提案できます。詳しくはこちらよりお問い合わせください。
ビルボードなどのOOHメディアにも共通する特徴ですが、広告面が“デカ”い大型の広告メディアが多数存在することも大きな特徴です。かなり単純な特徴ですが、広告展開時にもたらす効果は絶大です。
第一に、メディアが大きいと、広告を見たターゲットにとってもインパクトが残ります。広告が与えたインパクトは、広告を見たターゲットの態度変容に大きな影響を与えると考えられます。
日本鉄道広告協会の交通広告評価指標策定調査によると、広告に接触する可能性がある人を対象としたアンケートで、駅広告(駅ポスター・駅デジタルサイネージ)は車両広告に比べて、広告接触率(対象者答者の内、広告を見た/多分見たと答えた割合)・商品興味関心度・商品購入意向喚起度の各指標とも上回る結果となっています。
(出典:ジェイアール東日本企画「JEKI MEDIA DATA2022」)
第二に、広告面が大きいと、広告表現の余地に幅が生まれます。これにより、その大きさを活用した広告メッセージに昇華することができます。例えば、他の広告メディアには収まらない物を広告面にそのまま貼り付けたり、イメージしづらいものの大きさを等身大で表現して伝えたりすることができます。
東京メトロ丸ノ内線新宿駅、メトロプロムナード、新宿メトロスーパープレミアムセットは4面全て「花王 Attack ZERO (最後のユニフォームプロジェクト)」春高バレー出場校のユニフォームを展示 #最後のユニフォーム #アタックゼロ #春高愛してる会 #ooh pic.twitter.com/9EGrmkiRbj
— USNO (@sephiroticvm) January 13, 2020
小田急線新宿駅、スーパーシートⅥ『ビオフェルミン製薬』#腸スゴ #腸活ナビ #ooh pic.twitter.com/4IkTuNJB3K
— USNO (@sephiroticvm) April 8, 2022
電駅広告はSNSでの拡散の起点としても良く活用されます。
第一に、大型の駅メディアほど広告面が大きくインパクトの出せるメディアは限られています。テレビやデジタルメディアは、どうしてもデバイスのサイズ以上の表現はできませんが、それを優に超えるサイズの広告展開ができることは、駅広告や屋外広告ならではの魅力です。
そして最大の特徴として、生活者が広告に能動的に接触しやすいメディアであることが大きな要因です。TVCMやデジタル広告だと、意図的に広告に接触することが難しいですが、駅広告は場所がわかれば広告を見に行くことができます。
これによって大きなシナジーを生み出せるのが、アイドルやVTuber、アニメ作品など、著名なタレントやコンテンツが関係する広告展開です。能動的に接触できるメディアだからこそ、実際に広告を見たファンの方が、フォロワーである共通のコンテンツファンに情報を届けようとするので、一層SMS拡散するモチベーションが形成されます。
近年は個人がアイドルやタレントといった自分の「推し」を応援したりお祝いしたりするために広告を出稿する「応援広告」も注目されており、駅や街中で多くの人に見てもらえ、かつファンの人が広告を見に行けるという理由で、駅広告が活用される事例が非常に多いです。(推し活・応援広告についてはこちら)
OOH全般の課題とも言えますが、1対複数のコミュニケーションを行うメディアのため、メディア自体にアクチュアルを計測する機能が無い場合が大半です。実際にその広告を見た人がどれくらい存在するか? また、態度変容がどのようになったか? といった項目は、デジタル広告とは違い、広告実施後にアンケートベースで調査を行うことが主流です。
2022年現在、交通広告を販売する代理店や各鉄道会社も、各社効果計測に対する課題に対して取り組みを行っており、位置情報ビッグデータやWi-Fi・ビーコンを活用したセンシング技術、アンケートモニターとの連携でブランドリフト調査を広告出稿とセットで行うことにより、リアルタイムに広告接触者数やリフト値を計測する実証実験を行っております。
駅は重要な生活インフラであるため、利用者にとって安全で快適な環境を阻害しない運営をめざします。そのため、駅の壁面や床などのラッピングや、これまでにないイベント要素を含む特殊な広告展開をご希望の場合は、駅側との調整が必要となります。
また、駅の外から見える広告は、自治体によっては「屋外広告」と区分され、屋外広告物条例に沿った仕様の遵守および鉄道会社のデザイン審査とは別に自治体側のデザイン審査を行う必要があります。こちらも通常の駅メディアと比べると実施までに時間を要する場合があります。
定型商品の駅ポスターやデジタルサイネージなどは、広告物の制作が完了すれば最短1週間程度で広告出稿が可能ですが、特殊な広告展開をご希望の場合は、実施希望期間の2ヶ月以上前を目途に、広告代理店へのご相談をおすすめします。
冒頭で紹介した通り、駅広告にはさまざまな種類のメディアが存在します。本章ではそれらのメディアとその特徴を紹介していきます。
駅構内の壁面や、ホーム上の自立式ポスター版などに掲出するポスター広告です。サイズは、B0横・B1縦・B2縦を基本とし、駅・サイズごとに料金が設定されています。アクリルカバーの有無や貼り付け方法(画鋲、テープ、ガンタッカーなど)は電鉄・駅によって異なります。
特定の駅を選択して掲出する単駅ポスター広告と、電鉄ごとに複数の駅をセットにして形成されるポスターセット広告が存在します。
また、ポスターの貼り方もさまざまあり、1ヶ所1枚のポスターを貼り出す「単貼り」、1ヶ所の広告面に複数のポスターを組み合わせて貼り出す「連貼り」があります。
(駅ポスターメディアはこちらから検索できます)
駅ホームの向かい側などに設置されていることの多いサインボードメディアです。一番の特徴は、ほとんどのサインボードは掲出期間が数ヶ月~年単位の設定で、長期間駅利用者へ擦り込み認知を行う、1日当たりのコストパフォーマンスが非常に高いメディアです。地元店舗・施設の案内広告としてよく活用されます。
一方、1ヶ月単位で販売され、大手広告主が企業告知や商品告知を行うネットワーク型のメディアも存在します。
内照装置の有無、サイズ、仕様などは個々に異なりますので、事前の確認が重要です。
(駅サインボードメディアはこちらから検索できます)
駅構内壁面やボード板・柱に掲出されるシート貼りの広告メディアです。壁面のシート広告は駅メディアの中でもサイズが大きいため視認性が高く、離れた位置からも目立ちます。柱のシート広告は「アドピラー」とも呼ばれ、柱の多い場所では、連続して掲出することでジャック感やバリエーションの演出ができます。ブランドや商品の大々的な立ち上げ告知キャンペーンなどで人気のメディアです。
(駅シート貼りメディアはこちらから検索できます)
駅構内の階段・エスカレーターや通路の壁面に直接貼って掲出されるパネル(ドライマウント)加工したポスター。紙ポスターを美しく掲出させることができます。壁面に複数枚連続して掲出することが多く、通行者に対して抜群の視認性を誇ると同時に、ジャック感を醸成できます。
(集中貼りメディアはこちらから検索できます)
駅構内の天井から吊り下げる、または柱に結び付けて掲出されるポスターや布・ビニール素材の広告です。設置されている駅が限られますが、視認性が高く、離れた位置からも非常に目立ちます。
(横断幕・フラッグ広告メディアはこちらから検索できます)
自動改札機やホームドアに掲出されるステッカー広告です。自動改札機は鉄道利用者が必ず通過するので、長期間掲出することで、非常に高い反復訴求効果があります。
ホームドアステッカーは、広告面が大きく、且つ電車待ちの乗降客に長時間広告を接触させることが可能です。
(自動改札ステッカー/ホームドアステッカーメディアはこちらから検索できます)
駅構内壁面や柱などに設置したモニターで放映される映像広告メディアです。メディアにより、形状(縦型/横型)、サイズ、音声出力の有無、放映形態(1社ジャック/複数CMロール放映) など、仕様はさまざまです。大型化・高画質化が進み、インパクトのある世界観を追求する広告主さまから評価されています。車内デジタルサイネージ同様に、媒体社ごとに名称がつけられています。
(駅構内サイネージメディアはこちらから検索できます)
駅構内コンコースや隣接する広場などのスペースでイベントが実施可能です。サンプリングやトライアルを行うことで、駅に来訪する多くの生活者にリアルな商品体験をしてもらえるなど、タッチポイントの創出ができます。
(駅構内イベントスペースはこちらから検索できます)
具体的な駅メディアの展開事例も本サイトに掲載しておりますので、ぜひぜひご覧ください!
いかがでしたでしょうか? 本記事を通して、駅広告の魅力が皆さまに伝わったのであれば幸いです。ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください!
最後までお読みいただきありがとうございました。