電車広告ってなに⁉ 広告メディアの特徴、種類や最近の事例までご紹介!

車内

Universal OOH編集部です。
普段から皆さんが利用している電車。車内には企業の広告が数多く掲載されているのを見た事がある方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「電車広告」の基礎からメディアの特性、広告メディアの種類、金額について解説しております。また、最新の電車広告の事例についても併せてご紹介いたします。

電車広告って何?

電車広告とは、電車の中や外に掲載する広告の総称で、通勤・通学する電車利用者や沿線の生活者に向けた告知に活用されるメディアで
通勤・通学中のビジネスパーソンや学生などへ日常的・反復的な広告訴求をすることができ、かつ車内という空間で長い接触時間の確保が可能なため、
乗客の目に自然と入り、広告が読み込まれやすいため的確に情報を伝えることも可能なメディアです。
後ほど詳しくご紹介しますが、電車広告の主なメディアとして、中づり広告やまど上広告、ドア横ポスターやステッカーなどの紙メディア、デジタルサイネージなどのデジタルメディアが存在します。
近年ではデジタルサイネージの出稿は年々増加傾向にあり、電車広告でもデジタルメディアの需要が高いようです

電車広告の特徴

「自主視認性」という言葉を聞いたことはありませんか?
交通広告は日常生活の動線上にあり、生活者の視界に自然と入ってくるものの、強制的に視認させず、能動的に視認させる形で認知してもらえるという特性があります。
広告がスキップやブロックされる時代に、電車広告は生活者に嫌われない、価値のあるメディアとなっています。

好きな広告嫌いな広告元データ
(出典:ジェイアール東日本企画と野村総合研究所が共同で交通広告の価値研究を実施)

電車広告のメリット

リーチ力の高さ

テレビ、雑誌、インターネット、ラジオとメディアが多様化する中で、電車広告は高いリーチ率を確保できることも強みとして挙げられます。例えばJR東日本だと1週間延べ11,290万人と、多くの方が電車を利用しているため、広告が目に触れる機会が大幅に増えます。
その中でも特に電車広告ですと、限られた空間で広告に接触されるため、中づり・まど上・ドア横新Bやステッカーなどの車内メディアは週1回以上接触する割合が高い傾向にあり、訴求効果の高い広告と言えます。

ユニット別接触状況
(出典:ジェイアール東日本企画「JEKI MEDIA DATA2022」)

非日常的空間の演出

電車広告のメリットとして、非日常の空間を作り出し、生活者に強い印象を与えることができます。例えば写真の通り中づりポスターは、
紙素材だけでなく、特殊な素材を使用し掲出することもできます。
また一部電鉄では車内の床面にシートを貼った空間演出もあり、普段利用するリアルな場だからこそ、生活者にとって強くインパクトを残すことができます。

路線を選定できる

電車広告では、さまざまな路線が行き交っていますが、自分の出したい路線にのみ広告を出稿できるのも強みです。例えば自社で出店している店舗沿線の路線にセグメントをすれば、効率よくターゲットに向けてアプローチすることができます。
それだけでなく集客が見込めないエリアは、出稿をしないことで無駄な広告費をカットできるため、コストパフォーマンスが向上します。
また店舗誘導として活用することも可能で、「〇〇線〇〇駅から徒歩5分」など情報を記載するだけでも、集客効果が期待できるかと思います。

SNSへの波及効果がある

電車広告を見た人の行動喚起を促しやすいこともメリットとして挙げられます。交通はモバイル端末との親和性が高いので、
気になった広告をその場で検索できたり、インパクトの強いキャンペーンやクリエイティブ告知であれば、SNSなどで拡散したりといった波及効果が期待できます。これにより、自社HPやSNSアカウントへの集客につなげることも可能です。

電車広告のデメリット

効果測定が難しい

電車広告に限らずですが、掲載した広告による効果がどれほどなのか、具体的に数値化しづらいというデメリットがあります。
WEB広告の場合、データが数値で蓄積され、それを運用しながら広告内容の改善を図るといった対策は可能ですが、交通だとそういった運用でデータをとるには別途調査が必要になる場合があるなど、その分の費用が発生してしまうこともあります。
ただ昨今では、交通広告や屋外広告の広告効果を数値化できるよう、スマホの位置情報データなどを活用して、リアルタイムに効果を可視化できるよう取り組んでおります。

電車広告の種類

電車広告には紙メディア、デジタルメディアと呼ばれるものがあります。ここからはそれぞれの広告メディアについてご紹介します。

車内デジタルサイネージ・車内映像メディア

車内デジタルサイネージ
電車内上部に設置されたデジタルモニターで放映される映像広告。電鉄・路線によって、ドアの上・連結ドアの上・網棚の上・中づり・ドア戸袋の位置などに設置され、
電鉄ごとに「トレインチャンネル (JR東日本)」「Tokyo Metro Vision(東京メトロ)」「TOQビジョン(東急)」などの商品名で呼ばれています。映像によるインパクトのある表現が可能ですが、音声が出せないため、テレビCM素材を放映する場合はテロップ(字幕)が必要です。
(詳細はこちらから)

中づり

中づり
車内通路の天井部から吊り下げて掲出されるポスター。「シングル(縦364mm×横515mm)」のほか、2枚分の大きさで掲出する「ワイド(縦364mm×横1030mm」が可能です。車内の広いエリアから目につきやすいので、注目率、即効性に優れています。かつては雑誌の広告が多く出ていましたが、最近では新商品販売やキャンペーン告知などが増えています。掲出期間は基本7日間ですが、短期間(2、3日間)の掲出も可能なメディアなのでピンポイントで告知したい場合は最適なメディアです。
(詳細はこちらから)

まど上

まど上
窓の上の網棚の上部、もしくはドアの上に掲出されるポスター。電鉄によって、B3サイズ「シングル(縦364mm×横515mm)」、「インターサイズ(縦280mm×横515mm) 」などがあります。
特にシングル4枚分掲出した「まど上4連額面(JR東日本)」は車内最大のメディアサイズを生かしたインパクトのあるクリエイティブ展開が可能です。
掲出期間は1ヶ月単位で販売しているケースが多く、レギュラーで掲出する定番商品やエリアマーケティングの長期的訴求にも適したメディアです。
(詳細はこちらから)

ドア横

ドア横
ドアの横(戸袋)に掲出されるB3サイズのポスター。電車利用のお客さまの目線の高さが掲出位置になるので、注目率・到達率が高いのが特徴のメディアです。1車両に複数枚を掲出する電鉄もあり、同じメッセージを繰り返すことでさらに訴求力を高めたり、もしくは面ごとにデザインを変えられます。他の広告主と隣接せずフレームに収められ、また複数展開の場合はジャック感の出せるメディアなのでインパクトを出すのに適したメディアです。
(詳細はこちらから)

ステッカー

ステッカー
ドアの横(戸袋)やドアガラス(扉開閉部分)、窓ガラス部分、ドア上部に掲出され、小型サイズながらも電車利用者の視線に入りやすいメディアです。
長期間掲出による反復訴求効果により、リーチも高く、コストパフォーマンスに優れています。化粧品、医薬品、菓子、嗜好品、金融系スポンサーから人気のメディアです。
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広告貸切電車

広告貸切電車
1編成の中づり・まど上・ドア横・車内デジタルサイネージ・ステッカー類など、すべての広告スペースを1広告主で独占して掲出できる広告商品です。空間を1社でジャックする迫力のある訴求で、大型キャンペーンや企業PRなどに適した商品です。
(詳細はこちらから)

車体利用広告

車体利用広告
電車の外側面に広告を掲載するラッピングメディア。電車に乗る直前の乗客はもちろんのこと、向かいのホームの人や通過線路付近の人にも、強いインパクトで訴求することが可能です。
サイズ、形状、色彩、コピーなどに関して、媒体社のほか通過する自治体により掲出基準が異なり、地上路線では各自治体の承認が必要になります。
(詳細はこちらから)

電車広告の最新事例展開

具体的なOOHメディアの展開事例も、本サイトで数多く紹介しておりますが、
今回は電車広告の最新事例を集めましたので、ぜひぜひご覧ください! 空間ジャックなど面白い展開がいっぱい詰まっております。

いなば食品「ちゅ~るちゅ~るトレイン」

ちゅ~るちゅ~るトレイン
(出典:PR TIMES ちゅ~るちゅ~るトレイン

いなば食品が猫用おやつ「CIAOちゅ~る」発売10周年を記念して、2022年2月22日の「猫の日」を前に、2月20日(日)より東京メトロ銀座線と丸ノ内線をそれぞれ1編成まるまるジャックした広告展開です。
この広告に掲載された猫ちゃんは、これまでのキャンペーンで飼い主からの応募によって集まったものだそうです! ちゅ~るを美味しそうに食べる猫の様子がポスターや映像、フロアから窓ガラスまで埋め尽くされており、乗った瞬間に癒やされそうですね・・・

KDDI「#山手線をアートでつなぐぞ」

KDDI山手線車体広告
(出典:PR TIMES「#山手線をアートでつなぐぞ」AR体験を提供開始

KDDIより大容量高速通信au5Gが山手線ホームでつながることを訴求する目的として2021年12月に山手線車体広告とホームドアなどで広告展開を行いました。
今回の展開のためにSNSやWEBを中心に活躍する30人のアーティストとコラボレーションする「#山手線をアートでつなぐぞ」企画を実施しています。山手線各駅ごとに異なったアーティストが、その駅の特徴を織り交ぜイラスト化したようです。また山手線各駅周辺の5Gエリアの対象スポットでスマートフォンをかざすと、実際の街の風景に本作品がARで再現される「#山手線をアートでつなぐぞ」AR体験も行っており、先端技術を用いた新感覚な鑑賞体験を楽しめ、仕掛けある展開となっていました!

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回は電車広告についてご紹介させていただきました。
本記事を読んで、電車広告の魅力やメリットを少しでも多くの方に知っていただけたら幸いです。そして何気なく利用している電車がより身近に、そして今まで以上に、さまざまな広告主が色んな目的に応じて広告を掲出している事に注目してもらえると嬉しいです。
電車広告を出稿する際には、自社の商品・サービスと、広告メディアとの相性がとても重要だと思います。どんなメディアにも特性、強みや弱みが必ずあるので、どの媒体に掲出するのが最も効果が大きくなるのかをしっかり検討した上で出稿することが大切だと思います。
本記事を読んで、電車広告に興味を持っていただき、出稿までにどんな手順を踏んだらよいかわからないなど、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください!
最後までお読みいただきありがとうございました。

AUTHOR

ライター Universal OOH 編集部

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